C型慢性肝炎の治療としては、抗ウイルス薬であるインターフェロン製剤の投与が第一選択です。
最近では、ペグインターフェロン(ペグイントロン、ペガシス)とリバビリン(レベトール、コペガス)の併用療法で、高率に血液中からC型肝炎ウイルスが排除され、
血清トランスアミナーゼ(AST、ALT)の正常化が得られるようになりました。
治療効果については、
ウイルスのタイプが1型の患者さんでは、上記治療を 1年継続することによって約50〜60%の方に治癒が得られ、ウイルスタイプが2型の患者さんでは
6ヶ月間投与で80〜90%治るようになってきました。
インターフェロン療法の適応や薬の減量などについてはきめ細かな管理が必要ですので、
肝臓専門医に御相談下さい。
グリチルリチン製剤
残念ながら、インターフェロン療法でウイルスが消失しなかった患者さんや、高齢、もしくは
他の基礎疾患の存在でインターフェロン療法の適応が得られなかった患者さんには、
抗炎症
療法として、グリチルリチン製剤の注射(強力ネオミノファーゲンC)やウルソデオキシコール酸(ウルソ)の内服治療がおこなわれます。
AST・ALTが高値であるほど、早期に慢性肝炎から肝硬変に移行し、肝ガンが発生しやすく
なり ますので、できる限りAST、ALTを低下させ正常に保つことが最も必要です。
グリチルリチン製剤の注射は週に数回必要なこともありますが、専門医とよく相談して、
AST・ALTの低値安定化に努めましょう。
瀉血療法
その他の治療法として、最近
瀉血(しゃけつ)療法が注目されています。
鉄は赤血球の合成に必要な元素ですが、肝臓などの臓器に過剰に蓄積してしまうと、AST・
ALTの上昇の原因となることがわかっています。
瀉血療法は日本では
2006年4月に保険適応となりました。
体内から血液を排除することによって一時的な貧血状態を作り、肝臓にたまった鉄を
赤血球合成に利用させることにより、鉄の細胞毒性(活性酸素の関与)を低下させる治療法です。
体内の貯蔵鉄の指標である血清フェリチン値が高値で、AST・ALTが高値な患者さんほどこの治療法は効果的です。
実際には月に1〜2回、肘の静脈から血液を200〜400CC抜いて排除するもので、
目標のフェリチン値(10ng/ml)まで、
数回(3〜8回ぐらい)血液を抜くことでAST・ALTの低下が期待できます。
食事指導
さらに当院では、
食事性の鉄摂取制限指導も同時におこなっています。
これまで肝臓疾患によいとされてきた大豆製品、赤身魚、アサリやシジミなどの貝類、レバー
等の肉類や、ヒジキ、ほうれん草などの食品には鉄分が多く含まれており、
これらの食品の過剰摂取(よいと思ってたくさん食べること)はかえって逆効果です。
鉄吸収の面も含めて、詳しい説明を実施しています。
非アルコール性脂肪性肝炎
なお瀉血療法は、最近注目されている
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の一部の
患者さんにも有効であることがわかっています。
NASHは、アルコールを飲まないのに、飲酒者のように脂肪肝からやがて肝硬変に至り、
発癌の危険性を有する疾患で、これまで言われてきた
脂肪肝の患者さんの約 1/3がNASHである可能性が報告されています。
NASHに対する瀉血療法は保険適応外ですが、一度肝臓専門医に相談されてみることをお勧めします。